■ はじめに
「艦これ」の影響で20余年ぶりに艦船プラモに手をつけた管理人ですが、やはり「ガンプラとは世界が違うなぁ」と痛感させられています。この記事では、これから艦船プラモに挑戦しようと思っている人を対象に、艦船プラモ初心者である管理人の現在進行形の経験に基づくアドバイスをまとめ、入門記事にしたいと思います。全三回を予定しています。


■ ガンプラとの違い
いきなりですが、もはやプラモデルという枠を飛び出しつつある「ガンプラ(ガンダムプラモデル)」との比較で、艦船プラモの特徴を説明したいと思います。

1、接着が必須
ガンプラは「誰にでも、簡単に、それなりにかっこ良く」を目指し続けた結果、接着剤不要が当たり前になりましたが、ミリタリーモデルの世界はそうではありません。製作上、部品の接着は必須です。接着剤のシンナー臭がどうしてもダメな人はあきらめて・・・と言いたいところですが、最近はリモネン系セメントというシンナーを使わない製品も出ているのであきらめないでください。


2、塗装しないとほぼ1色
_AA1500_ ガンプラは「誰にでも(略。
基本的に艦船プラモは塗装を大前提とし、パーツの色はグレーかホワイト単色です(ウォーターラインシリーズだと艦底パーツが別の色だったりもしますが)。そのため、見栄えを良くするためにはやはり塗装する必要があるのですが、例え未塗装でも「自分で作った」という達成感がプラモを100倍かっこよく見せます(当人比)。

最初から塗装を目指すのではなく、まずは「未塗装での完成」を目指すことをオススメします。
また、カラー油性ペンを使うことで筆や塗料を用意しなくても最低限の塗装は可能です。無論、仕上がりは筆塗装よりもさらに劣ります(薄い色だと下地が透けて見える、均一に塗れない等)。

3、とにかくパーツが細かい
1/700の駆逐艦だと1cm以下のパーツが全体の7~8割を占めます。細かい作業が苦手な人には少々難易度が高いと思われますが、細かいパーツを組み合わせ、立体の密度をどんどん高めていく過程が艦船プラモの楽しみであり、喜びだと自分は思います。お気に入りの艦娘のレベル上げ作業にも通じるものを感じます。是非挑戦してみてもらいたい。
1/700駆逐艦プラモと500円硬貨の比較

4、組み立て説明書が不親切
ユーザーライクに異常進化しまくっているガンプラの説明書と比べた場合、艦船プラモの説明書は「作例写真がない」「彩色指定がカラーじゃない」「説明書に書かれたパーツと実際のパーツの形がだいぶ違うことがある」「パーツの接着場所がわかり難い」「誤植が結構ある(修正用紙が入ってたりします)」など、残念ながら少々不親切です()。

ただし、そこはインターネッツの時代なので、自分の作っているプラモデルの名前で画像検索すれば(例:1/700 雪風)、先輩方の作られた超絶カッコイイ作例を参照することができます。そこから調べ、さらには学びとることもできます。いい時代です。

最近発売された「艦これコラボモデル」(のベースになった新規長門)の説明書は、だいぶ進化している模様。
参考:艦娘 戦艦 長門(プラモデル) HOBBY SEARCH(ページの下方より説明書のサンプルが見れます)
これらの違いは艦船プラモ業界が怠ってるわけでは決してなく、艦船プラモは1/700や1/350といったスケールの都合上、どうしても細かい部品を使用することは避けられず、もともと初心者向けではない、ということがあるかと思われます。それゆえに中級者以上を満足させるための進歩を遂げてきた、とも言えます。まぁ、ガンプラが異常なんですけどね。

■ 艦船プラモの魅力
日の浅い自分があまり語るのも恥ずかしいのですが、自分にとってこの世界の魅力とは「作るという過程で、より深く知ることができる」だと思います。

正直、艦船プラモは時間がかかる割に、上手く作れるようになるまで物凄い修練を要する、現代風にいうと「割に合わない趣味」だと思います。昨今は大量生産により安価な完成済み(あるいは半完成)モデルが販売されているのでなおさらです。そのため、所有欲を満たすためだけに艦船プラモに手をだすのはあまりオススメできません。

参考:タカラ世界の艦船 | M's PLUS(通販サイト)(半完成)
参考:艦船キットコレクション(エフトイズ) | M's PLUS(通販サイト)(半完成)
参考:世界の軍艦コレクション | イーグルモス

プラモが不安な人はまずはこういった半完成モデルで実際の艦を立体として楽しむのがお手軽だと思います。これらの半完成モデルも小さな部品を扱うので「第二回 用具編」が参考になると思います。

しかし、完成済みモデルにしろ、ムック本にしろ「見るだけ」なら数秒で終わるような部位も、「作る」場合は数分、下手をすれば数時間という時間をかけて付き合うことになります。当然、「見るだけ」ではなかなか気づかないような場所にも注意が向けられます。そして、それらにより生じた疑問を解消するため、今度は「調べる」に時間を費やすことになります。この繰り返しによって艦に関する知識だけでなく、興味や愛着がより深まっていきます。

艦これで生じた興味を実際の艦に向けたことのある方、その姿になにか感じるものがあった方。そういう方々は、さらなる一歩を踏み出すため艦船プラモの世界に挑戦して欲しいと思います。貴方も自分といっしょに「1/700の22号電探クソちいせぇよぉ!」と泣き言を言いませんか?


■ プラモ初心者への提案
ガンプラ経験者にとっても少々難易度が高い艦船プラモの世界ですが、そこはプラモデルなので誰でも完成できるようには作られています。プラモデル全般に言えることですが、要は「どこまでの完成度を目指すか」という話であり、初心者は「初心者なりの完成度」を目指せばいいと思います。そしてその結果、さらに上を目指したいと思えた場合、段階を踏んでステップアップしていくのが理想だと思います。用具などもそれに応じて増やしていったり、良いものを揃えればいいと思います。

とりあえず最初は
「パーツをできるだけ綺麗に切り取り、できるだけ綺麗に接着し、艦の形を完成させる」
を目標にしましょう。一般的にこの仕上げを「未塗装、パーツの下処理無しの素組み」といいます。接着が難しいような細かいパーツは「今はあきらめる」というのもありだと思います。

なお、この記事では「ありがちなミス」をできる限り回避できるよう誘導していくつもりですが、
最初から一度も失敗せずに完成することは(まず)無い
と思ってください。

パーツを破損したり、紛失したり、接着箇所や向きを間違えたり、接着剤の塗りすぎでモールド(模様)を消したり、指紋だらけにしたり…なにかしらはやらかします。ただ、挫折しない限り、そういった失敗は貴重な教訓、糧として上達の材料となります。また、失敗からのリカバリーの術も身に付いていきます。

そして、これらの過程も模型作りの楽しみだと思います。ちょっとの失敗ですぐ「萎えた」とか「俺には向いてない」と言い出す人にはあまりオススメできません。そこはあらかじめご了承ください。

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次回は、「未塗装、パーツの下処理無しの素組み」を目指すものとして必要最低限の用具と、その基本的な使い方などを説明したいと思います。